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東京ノニ研究所 Dr. Noni

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ディーゼルエンジン排気ガスと肺がん


PM2.5による肺疾患

中国のPM2.5といわれる大気汚染の被害は、中国だけで150万人以上が1年間に死亡している深刻な問題です。

15年前の春に中国の河北省に行ったことがあります。

北京から車で3〜4時間かかったと思います。

途中から空気は黄色くどんよりとなって行き、河北省の工場密集地では煙で被われていました。


一昨年12月、雲南省に行きました。

帰りの北京空港は、1km先も見えないほどに空気が濁っており、上空からみると黄色い雲の様な層で被われていました。

 



今考えると、問題となっているPM2.5による大気汚染だったのです。

大気汚染の原因は、家庭や工場からでる煙、自動車の排気ガスなど。

このような空気を吸っていると、肺がん、閉塞性肺疾患、喘息など重篤な肺の病気になってしまいます。

PM2.5の発生源
 ●固定発生源:ボイラー、焼却炉、コークス炉、
   鉱物粉塵発生施設
 ●移動発生源:自動車、船舶、航空機
 ●自然発生源:土壌、海洋、火山、森林火災
PM2.5の成分
 ●硫黄酸化、窒素酸化物、炭素成分、無機金属
  ディーゼル排気微粒子、発がん物質
PM2.5短期曝露による肺病変
 ●死亡者の増加
 ●呼吸機能低下(喘息、咳、痰、感染症)
PM2.5長期曝露の肺病変
 ●気管支喘息
 ●慢性閉塞性肺疾患‐肺気腫、慢性気管支炎
 ●肺がん
 ●呼吸器系・心血管系疾患による死亡

 

世界保健機構(WHO)が発表した2012年の中国の肺疾患による死亡者は、150万人以上と推測しています。

今、中国では肺がんの中で最も多い肺の腺がんが増加しています。

 



肺の腺がんは、タバコを吸って起きるがんではありません。

日本でも1980年ごろから、肺の腺がんが増加しています。

気管支・肺の腫瘍、2010年
癌の組織系
例数 (比率)
扁平上皮癌
360 (24.9%)
腺癌
645  (44.6%)
大細胞癌
54  (3.7%)
小細胞癌
209 (14.5%)
その他
177 (12.2%)


喫煙より怖いディーゼルエンジン排ガスの肺がん

日本のマスコミや政府、医師会の発表で喫煙が、肺がんを引き起こすと言っていますが、「ミソもクソも一緒」にした報道です。
本当に喫煙が肺がんの真の原因なのでしょうか。
非常に疑問があります。

 

肺がんの危険因子
 ●喫煙‐最大の危険因子(?)
 ●アスベスト‐中皮腫
 ●大気汚染‐発がん物質(多環芳香族炭化水素)
      (ベンゾピレン・ニトロピレン等)
       ディーゼル排ガス微粒子

1980年代の後半、順天堂大学医学部の研究生であった頃、当時の病理学教室ではディーゼルエンジンの排ガスによる肺病変の研究が行われていました。
直接関与しませんでしたが、研究結果のほとんどを入手しています。
以下は、ラットを30ヶ月に渡り2種類のディーゼルエンジンの排気ガスに曝露させた時の肺の病変集計結果です。

エンジン
排ガス量
(mg/m3)
動物数
(雌雄計)
過形成
(肺胞上皮)
腺腫
腺がん
扁平
上皮がん
腺‐扁平
上皮ガン
小型
1.8 L
2.3 重度

124

87
1
1
0
1
1.1 重度
123
12
0
5
0
0
0.4 重度
125
6
1
0
0
0
0.1 中度
123
4
1
1
1
0
0
123
4
1
0
1
2
大型
11 L
3.7 重度
124
25
0
5
2
1
1.8 重度
123
14
0
3
0
1
1.0 重度
125
7
0
0
0
0
0.5 重度
123
3
0
0
1
0
0
123
1
0
1
0
0
          微粒子には、多環芳香族炭化水素やニトロ多環芳香族炭化水素などの発がん性物質が付着しているとされる。
          
微小粒子サイズ:両エンジンとも1μm以下=PM0.5
          肺胞上皮細胞の過形成は、炭粉沈着によるもの。
          
微粒子除去試験では、がん発生はない。
          
中度、重度は、PM2.5危険程度
      
     
 (出典:高木由紀、順天堂医学36(1)、p80〜94、1990)

この結果から推測されるように、ディーゼルエンジンの排ガスによって扁平上皮がんは発生しないようです。
しかし、肺胞上皮細胞の過形成(前がん病変)と腺がんの発生が認められます。
それも、PM2.5の重篤度に比例することが解ります。

結論的には、ディーゼルエンジン排ガスは、肺の腺がんを引き起こすと考えて良いようです。
喫煙によって起きると言われる肺がんの増加は否定的で、ディーゼルエンジン排ガスや大気汚染が近年の肺がん発生増加に大きく関与していると考えられます。

2016年2月16日
西垣 敏明